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ログガードは木製のビームです 『人』と『自然』をガードする、21世紀ブランド ログガード
構造および性能 製品一覧表 施工事例 施工手順 性能評価衝突試験
  人と環境に優しく・・・景観に配慮した『安全』とは、
自然に育まれた『素材』を活かし、人の『優しさ』と『技術』で創るモノ。 私たちは、そう考えました。
 ● ログガードはガードレールのビームです
 ● 鋼製ガードレールの支柱を用いており、鋼製ガードレールのリビルドにも役立ちます
 ● 鋼材と木材の複合構造で、鋼製ガードレールと同等の曲げ剛性及び引張強度があります
 ● 軽度の衝突では鋼製ガードレールのように局部変形はしませんので、美観を損なわず、また経済的です
 ● 鋼製ガードレールの接合部と寸法を合わせてあるため、
ビームのみを交換することができます
 1.ログガードの基本構造
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ログガードは、左図に示すように、支柱および支柱とビームを接続するブラケットは鋼製ガードレールと全く同一です。 ガードレールが1枚の鋼板で引張強度と剛度を確保しているのに対し、ログガードは機能を分離し、引張強度は鋼ビームによって、 剛度は木ビームによって確保しているという構造です。
 2.ログガードの断面性能
ガードレール ログガード
 ヤング係数 KN/mm2
200 木(E50) 4.9
低減値 4.4
 断面二次モーメント mm4
300,000 12,500,000
 曲げ剛度 KN・m2
60 55
 断面係数 mm3
10,000 250,000
 曲げ降伏(基準)強度 N/mm2
235 木(E50) 24.0
低減値 19.2
 曲げ耐力 KN・m
2.4 4.8
 鋼板厚 mm
2.3 3.2
 鋼板断面積 mm2
940 960
 接合ボルト
M16×3段×2列
 ボルト孔径 mm
22
 孔引断面積 mm3
788 960
 降伏強度 N/mm2
235
 せん断強度 N/mm2
136
 支圧強度 N/mm2
353
 ボルトせん断耐力 KN
164
 接合部母材耐力 KN
185 226
 ボルト部支圧耐力 KN
78 108
 引張耐力 KN
78 108
●長野県林業総合センター材料試験報告書
(平成15年10月)
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左表に示すとおり、曲げ剛度は若干小さいが、曲げ耐力、引張耐力共に、耐力はログガードの方が大きい。 また、最大荷重についても、ログガードはガードレールの2倍以上であり、全ての面でログガードのほうが高性能です。

 3.木ビームの樹種
車両用防護柵性能評価衝突試験の木ビームは、断面形状は半円、樹種は杉(E50)で行っています。 木ビームについては、強度および弾性係数共に杉(E50)が最小限必要な条件であると思われます。
樹種 等級 基準材料強度
Fb(N/mm2)
基準弾性係数
Eo(N/mm2)
すぎ (E50) (24.0) (4.9)
E70 29.4 6.9
あかまつ・えぞまつ・とどまつ E110 30.6 10.8
からまつ・
ひのき・ひば
E90 30.6 8.8
 4.木ビームの腐朽・劣化
ログガードには、次のように耐久性向上のための各種工夫・利点があります。
1. 半割り断面であり、乾裂による大きなひび割れが防止されている。
2. 断面形状は、排水を考え、水平部分を極力少なくしている。
3. 断面形状は乾燥収縮によって、半円形から僅かに扇形となるため、鋼ビームとの間に水が滞留して生じる、 いわゆる隙間腐朽が防止できる。
4. 鋼ビームは、日温度変化により木ビームとの間に隙間を生じ、滞留水の排除および風通しが良くなるなど 3.と同様に隙間腐朽が防止できる。
さらに、メンテナンスを適切に行えば、10数年は使用可能です。ログガードの耐用年数としては、 屋外用木材保護着色塗装または注入防腐を標準仕様としています。 ただし、これらの判断・決定は最終的に道路管理者が行うものですが、その仕様に合わせて製造いたします。
 5.塗色
各部材の標準的な色は景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン(案)の策定に準ずる。
部位
白・焦茶
鋼ビーム 焦茶
アンダーバー
ボルト (亜鉛メッキ)
 6.道路線形への対応
(1) 縦断勾配
道路線形の内、縦断勾配が急な場合への対応については、構造から判るとおり、 ガードレールと全く同じであり、問題ありません。

(2) 平面曲線
ビーム自体を曲線に製作すると高価になるため、曲線への対応は折れ線として行うことになります。 右表は円曲線と直線の差を示したものです。曲線半径が小さい場合には、支柱間隔を2.0mとすれば、ほとんど問題ありません。
半径R(m) 間隔L(m)
4.0 2.0
80 25 6
60 33 8
40 50 13
30 67 17
20 100 25
10 200 50
 7.積雪
ログガードに対する積雪の沈降力の影響については、今後の研究や実地検証の結果に期待しますが、 現時点で積雪期を経験した例では、積雪深3.0mでは異状は見られませんでした。    ↓● 積雪深2.0m支柱間隔4.0m↓
 ・積雪深 Hs = 2.0m
 ・積雪の平均密度 γs = 400kg/m3
 ・積雪重量 X = Hs*γs 800kg/m2
 ・形状係数 α = 53.6%
 ・積雪沈降力 Y = (-103.7+0.6991*X+0.0003961*X2)*α/100 =
=
380kg/m
3.8kN/m
 ・支間 L = 4.00m
 ・ブランケットに作用する荷重 R = Y*L = 15.2kN≦60kN(耐雪型)-OK
 ・曲げモーメント(連続梁の端支間) M = Y*L2/10 = 6.08kN・m
 ・鋼ビームの断面係数 Zs = 48,000mm3
 ・鋼ビームの断面応力度 σs = Ms/Zs = 127N・mm2≦140N/mm2-OK
 8.二酸化炭素・地球温暖化問題
ログガードは、100mで約1.5tの二酸化炭素を固定していることになります。木材の利用がその防止に寄与しています。
 9.価格
ログガードには次のような優れた点があり、価格に見合う性能があります。
(1) 鋼製ガードレールビームと各部の寸法を合わせているため、ガードレールのビームのみを交換できる。
(2) 車両が接触する程度の場合、木材自体の緩衝効果により、車両側の損傷が少ない。
(3) 軽度の衝突では、ガードレールが塑性変形してしまうのに対し、ログガードは形状を保つ。 ゆえに美観上好ましく、また、経済的でもある。
(4) 木ビームが折れる程度の衝突の場合は、木ビームの交換のみとなり、安価である。
 10.リサイクル
鋼製ガードレールをログガードに替えるなどという場合にも、 ログガードを設置することで発生する廃棄物をなるべく少なくするという思想で設計しています。 つまり、鋼部材の中で鋼製ガードレールとの共用部材については、再使用または再生品の使用を可能としています。 ボルト類についても共用できます。
(検査しないまま再使用することは禁止されています。)

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